たば子について
バイト先の社員がタバコをやめるということで、どういうわけか、その社員が買いおきしていたタバコを全てもらうことになりました。
銘柄は「ピアニッシモ ワン」です。
ある日、机の上にうずたかくつまれたタバコを眺めていて、ふと、不思議な気持ちが沸き起こってきました。
最近のタバコには、パッケージの30%以上に警告文を載せないといけないという法律があります。
その警告文は
「周りの人から勧められても決して吸ってはいけません」
といったような、なんだか妙に自虐的な内容で、今からタバコを吸おうとする人を奇妙な心持ちにさせます。
しかし僕には、その警告文が何だかとても可愛らしく思えてきたのです。
自分のことを自分で悪く言うなんて、けなげだと思いませんか?
自分に自信を持てない少女 たば子。
まるで、
「私……全然可愛くなんかないですから!」
といってうつむく照れ屋な女の子のようで、僕の心はきゅんと切なくなったのです。
今、僕は悩んでいます。
たば子は、僕と一緒にいるよりも、タバコを吸う他の殿方にもらわれた方が幸せなのかも知れない。
けれど、生半可な男に渡して、適当に吸われてしまうのはいやだ。
そこで、一生たば子を愛せるという方にお譲りしたいと思います。
欲しい人はコメント欄に、たば子へのプロポーズを書き込んでください。